不動産取引において、不動産会社は大きな役割を果たします。多くの方が不動産取引をあまり経験していないため、最初に相談した1社だけで進めることもあるかもしれません。しかし、複数の不動産会社を比較し、自分に合った会社を選ぶことが、満足のいく取引を実現するためには重要です。ここでは、不動産会社の選び方と、1社だけではなく複数社を検討するメリットについて説明します。
1. 複数の不動産会社に相談するメリット
不動産会社ごとにサービス内容、得意分野、手数料体系などが異なります。特に売却や賃貸の際には査定額や募集方法にも違いが生じます。例えば、A社が提示した価格がB社と異なる場合もあり、1社だけではその価格が適正か判断が難しいことがあります。また、買主を探すルートや広告手段も会社によって異なり、複数社の話を聞くことで、より広い視野を持って取引に臨めます。
2. 信頼できる不動産会社を選ぶためのポイント
不動産会社の選び方においては、以下のポイントに注意することが大切です。
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会社の実績や得意分野
会社によっては、住宅や投資用物件、店舗物件など、得意分野が異なります。例えば、マンション売却であればマンション売却に強い会社、賃貸運営であれば賃貸管理実績が豊富な会社が望ましいです。経験と知識が豊富な会社は、トラブル時の対応もスムーズで、結果に満足できる可能性が高いでしょう。
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営業担当者の信頼性
担当者との信頼関係は取引において重要な要素です。担当者が親身に相談に乗り、具体的でわかりやすい説明をしてくれるか確認しましょう。また、担当者が強引であったり、誠実さに欠けると感じる場合は、別の担当者や会社に変更を依頼しても問題ありません。質問に対する回答の迅速さや、知識量も評価ポイントとなります。
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料金体系の確認
不動産取引には仲介手数料が発生しますが、その上で広告費や管理費が追加されることもあります。見積もりが明確で、費用項目がわかりやすく説明されているか確認しましょう。見積もりの説明が不透明な会社は避け、契約内容が明確な会社を選ぶことが安心です。
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広告や顧客ネットワーク
不動産会社の広告やネットワークの充実度も確認ポイントです。例えば、自社サイトや各種ポータルサイトに物件を効果的に掲載している会社は、顧客を集めやすく、売却や賃貸契約が早く成立する可能性が高まります。広告手段をしっかり説明してくれるかも見極めのポイントです。
3. 専任契約と一般契約の違いを理解する
売却時には「専任媒介契約」と「一般媒介契約」が選べます。専任媒介は1社のみに依頼し、一般媒介は複数の不動産会社に依頼可能です。専任契約にすると不動産会社が積極的に動きやすくなりますが、1社に限定するため他の会社の顧客がアクセスしにくくなる場合もあります。一方、一般契約は広く情報が行き渡りますが、専任ほどの力を入れてもらえない可能性もあります。物件の種類や販売スピードを考慮して契約方式を選びましょう。
4. 最後に
不動産取引は大きな金額が動くため、不動産会社選びがとても重要です。少なくとも2〜3社を比較し、複数の意見を参考にしながら信頼できる会社を選ぶことで、納得のいく取引が可能になります。
梅本 征吾 (うめと せいご)
株式会社リノバンク代表。1979年京都府生まれ。中央大学大学院 戦略経営研究科卒
リクルートにて営業、経営企画、新規事業のインキュベータ―を担当後、2020年より FANTAS technologyにて、
新規事業の責任者として空き家事業、クラウドファンディング事業等、複数の新規事業を管轄。
新規事業をスピンアウトする形で、空き家活用スタートアップRENOBANKを創業。